「最終退行」 池井戸潤 を読みました。
池井戸潤さん得意の銀行ものです。
池井戸潤さんは、半沢直樹シリーズ 花咲舞シリーズ 下町ロケットシリーズ を読んだ後、執筆された順に初期のものから読んでいます。
一気読みしてしまうことが多く、大好きな作家さんです。
「最終退行」タイトルの意味がよくわからなかったですが、銀行用語で一日の最後に鍵を掛けて出て行くということらしいです。
無能で保身ばかり上手な支店長に目の敵にされ、毎日最終退行になってしまう副支店長 蓮沼鶏二が主人公です。
顧客を無視し、銀行側の都合だけで貸し剥がしをしようとする銀行本部と、苦しむ取引先の間に立ち苦悩する蓮沼。
しかし、銀行をバブル期の放漫経営の末に業績悪化に追い込んだ張本人の久遠会長は、責任を取るどころか、なおも私腹を肥やそうとしていた。
支店長の悪質な責任逃れの犠牲となり処分を受けた蓮沼は、銀行ぐるみの不正の匂いをかぎつけ、組織に立ち向かう。 という内容です。
「M資金」「宝探し」と思わぬ方向に話が広がっていきます。
最初は怪しさ満点だったトレジャーハンティングの会社、反発ばかりしていた部下の塔山たちと組んで、久遠会長の野望を阻止する展開はすっとしました。
最後の方をもう少し濃く書いてほしかったとは思いますが、面白かったです。
奥さんまで不倫させなくてもよかったと思いますが・・・