空飛ぶタイヤ
「空飛ぶタイヤ」池井戸 潤です。
映画にもなっています。
実際にあった、三菱自動車の「リコール隠し」と「ヤミ改修」事件をベースにした、実話に近い小説です。
実際は、この事件によってダイムラー・クライスラーから資本提携を打ち切られ、三菱重工、三菱商事、東京三菱銀行の救済によって倒産を免れています。
しかし、この反省が生かされず、2016年燃費試験不正問題が発覚。三菱自動車は日産自動車の傘下に入ることになりました。
「空飛ぶタイヤ」は2006年に刊行されたにもかかわらず、10年後のこの吸収合併を予言したような結末になっており驚かされました。
また、赤松運送のモデルになった運送会社は廃業。被害者は三菱に賠償請求するものの弁護士に騙されるという2次被害まで受けているようです。
本当に悲しい事件です。二度と起こしてはなりません。
他の大企業でも、
「日産・スバル不正検査」
「神戸製鋼品質データ改ざん」
「KYBオイルダンパー検査データ改ざん」
と内部告発による事件発覚が相次いでいます。
「都合の悪いことは隠す。」のではなく「間違えが起こったらきちんと謝罪する。」という当たり前のことを徹底してほしいです。
話は変わりますが、
自分が乗っている「アイミーブ」は三菱自動車が送り出した世界初の量産電気自動車です。
走り モーターのトルクで加速最高。
乗り心地 重いバッテリーを床下に積んでいるので軽自動車とは思えない重厚な乗り味。
経済性 いうまでもなく経済性抜群。
と、素晴らしい車です。
日産自動車の傘下に入ってしまいましたが、互いの電気自動車ノウハウを結集して、
「アイミーブ」後継電気自動車をつくってもらいたいものです。
【内容】
トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族…事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。